2010年を越えたあたりから各地の道路で大渋滞が発生するかもしれない

room6612006-10-02

過日のこと。
隣車線にならんだその車はオレがこれまでに見たことのないような高級外車。運転席に目をやると、齢にして70を数えそうな老紳士がハンドルを握っておられる。どこかの会社の役員さんなのだろうかな。瀟洒なスーツを着こなし背筋を伸ばしフロントを見据えるその佇まいは周囲のものに畏敬の念すら抱かせるものである。でも速度制限60km/hの道路にあってその車の運行速度は30km/h。その車のうしろにはちょっとした交通渋滞が発生している。
最近、ああ年をとると視野や判断能力は当人の気づかない間に小さくなっていくのだなぁ、と思わせる出来事に多く遭遇する。これは一つの事例。そんな老人たちを若者は「トロい」と感じるのだろうか、感情のままに大声でしつこく怒鳴り散らしている光景をよく目にするんだけども、これはいけない。行動の鈍化は人間の特性なのだ。赤ん坊が場をわきまえずに泣くのを非難するぐらい理不尽なことでっせ。
で、話がそれたけど、来年あたりから団塊の世代のリタイアが始まるわけです。人は社会を引退するとこのような判断力の低下の進行が“本人の気づかぬ間に”促進されていくだろうことが想像できます。でも本人は無自覚なわけだから、彼らはしばらくの間これまでと変わらず車の運転を続けるだろう。そんなドライバーが路上に増えることになるので、今後日本各地で道路交通の流れが鈍化していくんじゃないかな、と思うのである。高速道路の登坂車線のようなものを一般道路にも拡張した「シルバー路線」みたいなものが必要になるかもね。