茶色が似合いますね

スーツを買いに行った。
仕事でスーツを着ることは稀で、冠婚葬祭のときに袖を通す程度である。一月前に社の用事で久しぶりにグレースーツの出番を迎えたんだけど、手持ちのものは遙か昔、就職活動のときに三宮の青山にて、「リクルート8点セット」のサンキュッパで買ったもの。あれからX年を経て人間的に一回り大きく成長した自分を包むにはもはや足りない、と気づいたのはその行事の前日のことで、当日はウェストのボタンを留めずに着てたのよ。
近々またスーツの出番がやってくることを鑑みて、この際に新調しておこうと考えたわけだ。
そこで女性の店員さんから掛けられた不思議なレコメンデーションが、本文の標題である。
茶色が似合いますね。
何に似合うというのだろうか、と要らぬ思考に意識が向かう。普段スーツを着ず、またスーツな人に囲まれることもない自分には、この感覚が分からんのであります。顔なのか、肌の色なのか。でも、スーツに似合うというのはシャツとタイの組み合わせなんじゃないの、という野暮なツッコミをすべきでないことぐらいは分かる。
いかんせん、ほしかったのはグレースーツなので、残念ながら店員さんのお薦めは却下させていただいた。
今日訪れたお店は規格サイズのレディメイドを揃えることで廉価を実現しているお店だというのに、そこには自分にあうサイズがなかった。仕方なくオーダーメイドを仕立てることになり、意外に出費が大きくなってしまった。でも自分の好みのパーツや仕立てやネームのフォントをオーダーで選ぶという気分は悪くないね。