最初の晩餐で奥さんにブチ切れられた話

少し前に、後輩の結婚祝い飲み会をした。そこには彼の奥さんも駆けつけて、まあいろんなエピソードを聞かせてもらった。
そのなかの一つのエピソードで、二人が同居を始めてすぐにこんなことがあったのだそうだ。
奥さんが後輩氏に初めて作った晩ご飯が、カレーだった。それはもう幸せの味いっぱいで二人でおいしく食べたそうなんだが、独身時代は自炊をしていてカレーには詳しい後輩氏が一言、
「あらかじめ野菜をコンソメで煮ておくと、また美味しくなるんだよ」
と、伊東家の食卓ばりの裏技を話したところ、なんと奥さんはブチ切れた。
なんで切れたの。同席してた奥さんに理由を尋ねてみたけど、恥ずかしがってか、それとも人見知りをしていたのか、もじもじして答えてもらえなかった。
何で切れたのか。ちょっと考えてみた。
ひょっとして、立場の問題なのかも。もしお互いが独身のときにこういう言葉のやりとりをしたとすれば、奥さんはキレなかったんじゃないかなぁと思う。それが、結婚して身内となった人にそういう助言をもらったものだから、その言葉にアドバイス以上の重さを感じて、奥さんはぶちキレたんじゃないかな、て気がする。
独身のときと結婚後。互いの関係性が変わると同じ言葉でも受け取られ方が変わってしまうものというのは、探してみればいくつかありそうだ。
さてその最初の晩餐の修羅場を二人はどう乗り越えたのか。
ダンナ(後輩氏)が平謝りに謝って許しを乞うたんだと。
かかぁ天下が始まった決定的瞬間だな。
末永くお幸せに。