母と娘

先週、友人のお母様が逝去された。
その知らせを受けたのはは通夜や葬式といった一連のセレモニーがすべて終わった後だった。仲間内でつかっているメーリングリスト経由で知らされた。随分気を落としている様子だ。
こんなとき、どんな言葉を彼女(=その友人)に送ってあげれば良いのだろう。テレビや本なんかで繰り返し使われる言葉はたくさん知っているが、それをそのまま使うことはなんか軽薄に思われ気が引ける。
お母様には、一度だけお目に掛かったことがある。それは彼女(=その友人)の結婚式だった。彼女はいわゆる在日コリアンで、その結婚式はコリアンスタイルで行われたんだけど、きれいなチマを着たお母様は娘の挨拶の一言一句に涙をためておられた。娘は声を震わせ涙にむせびながらも、しっかりと母を称え感謝を表した。強い絆で結ばれた母子だなあと思った。
どんな言葉を送ったらよいものかとおれが迷っているあいだに、メーリングリスト内で数回のやりとりが交わされた。最新のメッセージにて彼女いわく「もう元気よっ!毎日子育てで一日が早いから助かったわっ」と。彼女のこの言葉には強がりが含まれているんだろうけど、でも真実に違いない。そう、彼女もまた娘を授かったのだ。
おれが地元を離れたことでめっきり会う頻度も少なくなっていたわけだが、いつのまにか友人はもうしっかりと、母だ。