赤子に似て非なる者

近所のカフェで珈琲を飲んでいると、赤ちゃんを連れた夫婦が隣席についた。普段は隣席に誰が来ようが、耳にはiPod、視線は手元の本に落とし我関せずで済ます私だが、ふいに本から目をそらしたときに赤ちゃんと視線が合ってしまった。
おお、アドミラブル、アドミラブル。ほんの数年前までは子供は大嫌いだったのに、最近は小さな子供をみるとつい顔が綻んでしまって困る、これが齢をとるということか、オレも齢をとったと言うことか、と妙な具合に納得しつつ、ついつい手を振ってしまう。しまった。
そのあと必然的にそのご両親と目を合わすことになる。まずい、こういうときは何を話せばいいのか。小さなパニックになってついついアタマに浮かんだ言葉をそのまま発してしまった。
「ジャックウェルチ (参考: asin:4532164001) に似てますよね。」
ご両親、憮然たる表情なり。
私はまだまだ未熟な大人だ。