「こってり」を極めたラーメン屋

おれの周りにはラーメン通を自称する友人が何人かいるんだけど、おれ自身はラーメンはあんまり好きではなく、したがってラーメン屋には滅多に行かない。しかし今日は昼食に何を食べようかと思案した挙句、そういえば長らくラーメンとやらを食べていないなぁと思い当たり、久しぶりにラーメンを食べてみるかと、以前友人たちに紹介された某有名ラーメン屋へ赴いた。
このラーメン屋は「こってり」のダシをウリとしており熱烈なファンも多いようである。しかし普段ラーメンを食べなれていないおれの胃はこの「こってり」を受け付けず、並サイズの半分を食した時点で気分が下降しはじめる。
だがこの店の「こってり」は容赦がない。スープに濡れた手を拭おうとテーブルの隅に置かれた布巾を手に取ると、これがまた油分でギトギト、さらに手を汚すことになる。もう去ろうと椅子の背もたれを押したところ、なんとこの椅子までもが油分たっぷり。たまらずトイレへ向かい手洗いの石鹸で手を丹念に洗ってみたが、それでも油分を完全に払拭できない。もしかして石鹸の中にも背油が入っているのだろうか。
・・・おれはやっぱりラーメンはダメだ。もうしばらくラーメンは食わん、食えん。この店にはもう来れんなぁ。