「男は3語であやつれる」伊東明

男は3語であやつれる

男は3語であやつれる

“男心を魔法のようにとらえてしまう言葉の数々” (カバー裏より引用) が計44語紹介されており、巻末に“場面別『男をあやつる究極の3語』”がまとめられている構成。
女性のためのハウツー本です。この本で武装すると人生が開けるかもしれません。
さて女性のためのこの本、男が読んだらどうなるか。

  1. 最初の5語ほどを読んだ時点では、なかなか上手く言い当てていることに「笑いがとまらない」
  2. 半分ほど読んだ時点で、内容があまりに正鵠を射ていることに自分のあまりの凡庸さを自覚させられ「軽く鬱になる」
  3. 読了に達する時点で、「霊長目ヒト科 オス」という動物のあまりのか弱さに「憐憫の涙を禁じ得ない」

ついつい「いや、この語はオレには当てはまらない」という声をあげたくなるが、そういう儚い行為でさえ、例えば次のような記述によって絡め取られてしまう。

男はその他大勢、ワンオブゼム(one of them)になることを嫌がります。(略) そう、男は常に特別な人間でありたいのです。
(pp.38「やっぱり○○さんじゃなきゃ」 )

ほとんどの男は心のどこかで「オレはこう見えても眠れる獅子だぜ、ほんとうはタダ者じゃないんだぜ」という妄想を抱いて生きてます。
ただ、眠れる獅子も、時々起きてその姿を見せたくなるときがあるようです。「タダ者ではないオレ」を見せたくてたまらないときがあるのです。
(pp.53「○○さんみたいな人、なかなかいないですよ」 )

女性が人生の教科書として読むもよし、また話のネタとして読むもよし、であります。
面白かったッス。