A World within A World (Raul Midon)

World Within a World
久々にCDを買った。ダウンロードではなく、コンパクトディスク。やはり本当に価値があると思えるものは、それを「モノ」として所有したくなるものである。たとえそれが、今や「データ販売」という安価なスキームが用意された“音楽”という商品であったとしても。
さて、Raul Midonの2枚目のアルバムである。1stアルバム "State Of Mind" で彼が披露したものは、ソングライター、ボーカリスト、ギタープレイヤー、そしてマウスパーカッショニストとしての才能だと思っているのだが、本アルバムは「キレイに」作り込まれて、ソングライティングおよびボーカルに脚光を向ける仕上がりとなっている。商業的には「オトナな仕上がり」と表現されるのかもしれない。
ただ私としては、彼が前作で披瀝した、複数の非凡な才能が渾然一体となって生まれる「とんでもない音楽」を今回のアルバムにも期待していただけに、物足りなさを感じる。せめて本アルバムを携えての来日の折にはまた「弾き語りスタイル」のパフォーマンスにお目にかかりたいものだ。