逮捕されたアーティストの作品を販売停止にする必要があるのか

ギタリストの鈴木茂容疑者(57)が17日、大麻取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕されたことを受け、18日、鈴木容疑者がかつて所属していたロックバンド「はっぴいえんど」のオリジナルアルバム3作などの販売が停止になった。

岡村靖幸小室哲哉などが逮捕されたときもこれと同様な措置が取られたことはまだまだ記憶に新しい。また古い話になるが、昔、角川春樹がコカイン密輸事件で逮捕されたとき、とあるワイドショーにて「私、彼の監督作品である映画REX(恐竜物語)を子どもと観にってすごく面白かったのにぃ。見るんじゃなかったー」と、当時絶賛上映されていた彼の作品を槍玉に挙げていたおばさんコメンテーターの醜面とその不可解な理屈が忘れられない。

で、本エントリのタイトルがこのたびの問題提起であります。

なんで犯罪を犯したアーティストの作品は商品棚から撤去されるの?
アーティストの人格と作品は、切り離して評価されるべきじゃないの?

アーティストの表現する作品には本人だけではなく多くの人間の労力が介在して世に送り出されるものという点で一般社会における協業と同じものと考えることができる。「逮捕につき撤去」則を一般社会に適用するとすれば、会社員が私的な用事のおりに重篤な交通事故を引き起こしたとき、その人が関わった社内プロジェクトは白紙にせよ、ていうことに相当するんだろうか。これはあまりにもバカげている。

アーティストが逮捕されても、作品は作品として棚に並べ続けられるべきで、それを買うか買わないかは世間のお客さんの行動に委ねられるべきだと思うんですがね。 むしろ販売者はアーティストの作品を棚に並べ続けなければならないんじゃないかと。