むべファミレスを「ファミリー」レストランと言ふらむ

やんごとなき事由により、某"disgusting"なww ファミレスに行った。このチェーン店には以前はよく深夜や早朝に行ったもんだが、最近はとんと行かない。年齢を重ねて食の趣向が変わったためか、少なくとも自発的に行こうと思うことはなくなった。このたびはやんごとなき事由により、日曜午後 7 時、つまり休日の夕食時というタイミングで訪れることになった。
あれ、ここってこんな雰囲気だったっけ。
席の近くの勘定場で、おばさんたちが大声でギャーギャー吠えている。
回廊のようになっている店内通路を小学校低学年ほどの二人の子どもがドタバタと走り回っている。ここはメシ食う場所だぜオイ。
背後の席では、年齢は高校生ぐらいだろうかか、マロみたいな眉毛をし金髪でスウェット上下な女の子二人組が大声でキャーキャーギャハハと奇声を上げている。
隣の席には親子連れがおさまり、まだ幼い子ども二人がウレタンシートの上をぴょんぴょん跳ねている。土足のままで。そして親御さんは給仕されたメニューをここぞとばかりにいそいそと胃に収めている。
常によく分からないサイレン (メロディ?) が鳴り続けている。
そしてこの閉空間で唯一異なる空気をまとう、顔に疲労のへばりついた男がいそいそとこちらに近づいてきて呟くようにこう言った。
「いらっしゃいませ」

さすが店の名にし負う"disgusting"具合である。食後には勘定の尋常でない安さには本当に驚いたが、それでも今後さらにこのチェーン店から足が遠のくことになるだろう。少なくとも独り身のうちは。
そう、「独り身のうちは」である。
今日のこの雰囲気、元気盛りな子どもを持った両親にはありがたいに違いない。何せ、どれだけ子どもが騒いだり走り回ったりしても、周囲に気兼ねする必要はないのだからな。食育? そんなの関係ねえ、と言い放てる雰囲気がここにはある。
なるほど、ファミレスは「ファミリー」のためのレストランなのだな。